シマトネリコの花 ― 2010/07/02 10:54
下の写真は熊本市内のとある歯科医院の前庭を写したものです。一見するとイタリアンレストラン風の建物ですが、院長先生の好みでこのような外壁の色と雰囲気になりました。
今から10年以上も前にここを開院されたのですが、私はその際にお庭と駐車場付近の植栽一式を任されたのです。写真に写っている樹木はシマトネリコです。植栽時には高さ3m程しかなかったのですが、今では倍以上の大きさに成長しています。ここには他にヤマボウシやエゴの木、イロハモミジにカクレミノ等の樹木と10種類以上の庭植え用バラ、それから、季節の花を植栽しています。
今から10年以上も前にここを開院されたのですが、私はその際にお庭と駐車場付近の植栽一式を任されたのです。写真に写っている樹木はシマトネリコです。植栽時には高さ3m程しかなかったのですが、今では倍以上の大きさに成長しています。ここには他にヤマボウシやエゴの木、イロハモミジにカクレミノ等の樹木と10種類以上の庭植え用バラ、それから、季節の花を植栽しています。
待合室の横に植えたシマトネリコ
ここは元々、土の状態が悪く、植栽に適した土は表面から20㎝程しかありませんでした。その下の方は建築用の基礎砕石がゴロゴロと言う感じで、植付後の成長を心配していたのですが、ここ2~3年は葉が良く繫るようになりました。特に今年は写真のように花も樹木全体に咲き誇り、周囲に独特の濃厚な香りを漂わせています。
ただ、この香りに誘われてか、沢山のミツバチが花の周りに飛んできてせっせと蜜を集めています。
ここは元々、土の状態が悪く、植栽に適した土は表面から20㎝程しかありませんでした。その下の方は建築用の基礎砕石がゴロゴロと言う感じで、植付後の成長を心配していたのですが、ここ2~3年は葉が良く繫るようになりました。特に今年は写真のように花も樹木全体に咲き誇り、周囲に独特の濃厚な香りを漂わせています。
ただ、この香りに誘われてか、沢山のミツバチが花の周りに飛んできてせっせと蜜を集めています。
シマトネリコに群がる西洋ミツバチ
医院の受付の方はハチが刺すのではないかと心配されていたので、「あと2週間ほどで花も終わるのでその頃まではハチを脅かさないようにそっとしておいてください。」との内容の返事をして、納得していただきました。樹木用の殺虫剤を噴霧してもハチはいったん逃げた後またやってきますし、ハチが来ないように花を落としてしまうのもためらわれたので、人間の方が用心してあげるに越したことはないと思ったのです。
春先はハチが少なくてイチゴ等果物の受粉がうまくいかないというニュースが流れていましたが…。
やっぱり、香りが強い植物が好きなんでしょうか?
医院の受付の方はハチが刺すのではないかと心配されていたので、「あと2週間ほどで花も終わるのでその頃まではハチを脅かさないようにそっとしておいてください。」との内容の返事をして、納得していただきました。樹木用の殺虫剤を噴霧してもハチはいったん逃げた後またやってきますし、ハチが来ないように花を落としてしまうのもためらわれたので、人間の方が用心してあげるに越したことはないと思ったのです。
春先はハチが少なくてイチゴ等果物の受粉がうまくいかないというニュースが流れていましたが…。
やっぱり、香りが強い植物が好きなんでしょうか?
危険なキノコ ― 2010/07/05 11:06
今日の午前中、熊本市内にある江津湖という湖横の駐車場に車を止めて、街路樹の様子をみていたところ、その駐車場にあるソメイヨシノに危険なものを発見しました。
ソメイヨシノの株元に発生したベッコウタケ
それは、根元付近を1周するように5~6か所程確認出来ました。これはベッコウタケと言うキノコの仲間です。通常キノコは木材腐朽菌と言って枯れた樹木や、生きた樹木の中の死んだ組織である木材を分解して土にかえすという大変重要な働きをしています。しかし、このベッコウタケやナラタケと呼ばれるキノコは木材だけではなく、生きた組織に侵入して、樹木を衰弱させたり、枯死に至らせる性質を持っています。さらにベッコウタケの厄介な点は樹木の根を腐らせる働きが強いという事です。
近年、街路樹のケヤキが突然倒れて車に当たり、ドライバーの方が間一髪で人身事故を免れたとか、元気だったはずの神社の御神木のイチョウが突然倒れたとニュースを良く目にしますし、自分自身も事故後の検証に呼ばれた事があります。そこで、ほぼ100%と言っていいほど目にするのがこのベッコウタケです。もちろん、根に傷もなく健康な樹木に発生する事は殆ど考えられません。しかし、道路工事をした際に歩道の下に伸びている根を切断したような場合、或いは、台風等の強風の影響で樹木が大きく煽られて、根が傷つけられた場合などに、傷口から土壌感染という経路で菌が進入してくるのです。全国各地で街路樹のすぐ横を掘削しての道路工事や電線地中化工事が行われています。樹木の根を切断する際には綺麗な断面が出来るように行い、傷口には丁寧に殺菌剤を塗布するなどの処置が必要です。倒木が起きれば、道路は通行止めになりますし、通行量の多い街路では人身事故にも繋がりかねません。街路樹がある道路を掘削する場合には、事前に私達樹木医に一度相談をいただければ何とかなるかも知れないのですが…。
それは、根元付近を1周するように5~6か所程確認出来ました。これはベッコウタケと言うキノコの仲間です。通常キノコは木材腐朽菌と言って枯れた樹木や、生きた樹木の中の死んだ組織である木材を分解して土にかえすという大変重要な働きをしています。しかし、このベッコウタケやナラタケと呼ばれるキノコは木材だけではなく、生きた組織に侵入して、樹木を衰弱させたり、枯死に至らせる性質を持っています。さらにベッコウタケの厄介な点は樹木の根を腐らせる働きが強いという事です。
近年、街路樹のケヤキが突然倒れて車に当たり、ドライバーの方が間一髪で人身事故を免れたとか、元気だったはずの神社の御神木のイチョウが突然倒れたとニュースを良く目にしますし、自分自身も事故後の検証に呼ばれた事があります。そこで、ほぼ100%と言っていいほど目にするのがこのベッコウタケです。もちろん、根に傷もなく健康な樹木に発生する事は殆ど考えられません。しかし、道路工事をした際に歩道の下に伸びている根を切断したような場合、或いは、台風等の強風の影響で樹木が大きく煽られて、根が傷つけられた場合などに、傷口から土壌感染という経路で菌が進入してくるのです。全国各地で街路樹のすぐ横を掘削しての道路工事や電線地中化工事が行われています。樹木の根を切断する際には綺麗な断面が出来るように行い、傷口には丁寧に殺菌剤を塗布するなどの処置が必要です。倒木が起きれば、道路は通行止めになりますし、通行量の多い街路では人身事故にも繋がりかねません。街路樹がある道路を掘削する場合には、事前に私達樹木医に一度相談をいただければ何とかなるかも知れないのですが…。
ベッコウタケの子実体(キノコ)
皆さんが目にする、いわゆるキノコは木材腐朽菌全体でいえば胞子を飛ばす為の生殖器官に過ぎません。例えが少し変ですが、バラの花に当たる部分です。根っ子や葉っぱといった養分を吸収する器官は菌糸と言って樹木の内部に大きく広がっているのです。だから、いくらキノコだけを切除して、その個所に殺菌剤を塗布しても単に花を摘んでいるにすぎず、木材腐朽菌の生育には殆ど何の問題も無いのです。言い換えれば、キノコを幾ら取ってあげても樹木の内部で進んでいる腐朽は止まらないし、残念ながら、この腐朽を停めるような方法も現在の所見つかっていないのが現状です。
前段でも言った通り、樹木や植物の死体を分解して土にかえすという働きは、自然界では大変重要な働きであり、キノコは自然界に無くてはならない存在なのです。もし、キノコが無かったら森は枯れた樹木で覆われてしまい、新しい生命が育ってゆく場所ではなくなってしまいます。
しかし、街路樹に生えるキノコは倒木など私たちの生活に危険をもたらすことにも繋がります。これを回避する意味でも、日ごろから街の中の樹木に対して多くの人に興味を持ってもらい、これをいたわる気持ちが重要ではないかと考えます。
行政的に言えば街路樹は照明灯や縁石と同じ道路構造物でしかないのでしょうが…。
多くの人に街路樹が好きになってもらいたいと思います。
皆さんが目にする、いわゆるキノコは木材腐朽菌全体でいえば胞子を飛ばす為の生殖器官に過ぎません。例えが少し変ですが、バラの花に当たる部分です。根っ子や葉っぱといった養分を吸収する器官は菌糸と言って樹木の内部に大きく広がっているのです。だから、いくらキノコだけを切除して、その個所に殺菌剤を塗布しても単に花を摘んでいるにすぎず、木材腐朽菌の生育には殆ど何の問題も無いのです。言い換えれば、キノコを幾ら取ってあげても樹木の内部で進んでいる腐朽は止まらないし、残念ながら、この腐朽を停めるような方法も現在の所見つかっていないのが現状です。
前段でも言った通り、樹木や植物の死体を分解して土にかえすという働きは、自然界では大変重要な働きであり、キノコは自然界に無くてはならない存在なのです。もし、キノコが無かったら森は枯れた樹木で覆われてしまい、新しい生命が育ってゆく場所ではなくなってしまいます。
しかし、街路樹に生えるキノコは倒木など私たちの生活に危険をもたらすことにも繋がります。これを回避する意味でも、日ごろから街の中の樹木に対して多くの人に興味を持ってもらい、これをいたわる気持ちが重要ではないかと考えます。
行政的に言えば街路樹は照明灯や縁石と同じ道路構造物でしかないのでしょうが…。
多くの人に街路樹が好きになってもらいたいと思います。
夏の花 ― 2010/07/07 13:19
今日のような晴れの日には、雨の日にはくすみがちだった花の色もいっそう鮮やかに見えます。アジサイも盛りを過ぎた今、夏の花たちがあちらこちらで開き始めました。
下の写真はムクゲの花です。熊本市郊外の田園地帯の道路沿いに咲いていました。そういえば、車で走っていると路肩などに植えられているのを良く見かけます。
ムクゲはアオイ科フヨウ属の落葉低木で高さ2~3m、花の大きさ10~18センチほどの涼しげな花をこれから10月頃まで楽しませてくれます。
下の写真はムクゲの花です。熊本市郊外の田園地帯の道路沿いに咲いていました。そういえば、車で走っていると路肩などに植えられているのを良く見かけます。
ムクゲはアオイ科フヨウ属の落葉低木で高さ2~3m、花の大きさ10~18センチほどの涼しげな花をこれから10月頃まで楽しませてくれます。
ムクゲの木
元々中国からインドにかけての地域が原産と言われており、お隣韓国の国花ともなっています。現在では品種改良によって多くの園芸品種があり、花色もピンク、白、紫など様々で中には八重咲きのものもあります。花がとても綺麗で花期が長いので庭木として植えたがる方もいらっしゃいます。しかし、かなり大きくなるのと、アオムシの発生が多いので庭の広い方にはおススメかも?
近年、ムクゲの仲間で地中海地方原産のラバテラと言う樹木を園芸店等で良く見かけるようになりました。こちらの方は病害虫の被害が大丈夫なのでしょうか?
元々中国からインドにかけての地域が原産と言われており、お隣韓国の国花ともなっています。現在では品種改良によって多くの園芸品種があり、花色もピンク、白、紫など様々で中には八重咲きのものもあります。花がとても綺麗で花期が長いので庭木として植えたがる方もいらっしゃいます。しかし、かなり大きくなるのと、アオムシの発生が多いので庭の広い方にはおススメかも?
近年、ムクゲの仲間で地中海地方原産のラバテラと言う樹木を園芸店等で良く見かけるようになりました。こちらの方は病害虫の被害が大丈夫なのでしょうか?
ムクゲの花
花を良く見ると、何かの花にソックリですよね。ご存知の方も多いと思いますが、ハワイや沖縄など熱帯~亜熱帯の地域でよく見かけるハイビスカスの非常に近い仲間です。どちらかと言えばムクゲの花色は清涼感があり、ハイビスカスは原色に近くより情熱的な感じがします。これは原産地の気温の関係なのかも知れません。また、庭先でよく見かけるフヨウも同じ仲間です。こちらの方は、ムクゲのように縦に直線的に枝を伸ばすのではなく、横にこんもりと伸ばし、より柔らかな印象があるので庭植えには向いているかも知れません。
花を良く見ると、何かの花にソックリですよね。ご存知の方も多いと思いますが、ハワイや沖縄など熱帯~亜熱帯の地域でよく見かけるハイビスカスの非常に近い仲間です。どちらかと言えばムクゲの花色は清涼感があり、ハイビスカスは原色に近くより情熱的な感じがします。これは原産地の気温の関係なのかも知れません。また、庭先でよく見かけるフヨウも同じ仲間です。こちらの方は、ムクゲのように縦に直線的に枝を伸ばすのではなく、横にこんもりと伸ばし、より柔らかな印象があるので庭植えには向いているかも知れません。
梅雨もキノコの季節 ― 2010/07/12 08:57
7月5日の記事でベッコウタケという樹木を枯らす恐ろしいキノコを紹介しましたが、今回のものはかなりカラフルなヒイロタケというキノコです。当社が5~6年前より管理を行っている熊本市内の診療所のサクラの大枝に見つけました。
ヒイロタケ
キノコが発生している枝の上方に見える青いワイヤーは、この枝が付け根から裂けないように反対側に引張っているものです。実はこのサクラ、4年ほど前に建設会社のトラックの荷台の一部がぶつかり、その際に枝の付け根の部分が裂けて大きな亀裂が出来てしまいました。そこで、枝が落ちないようにワイヤーで反対方向に引張っているのです。傷口には殺菌防腐剤を塗布し、傷口を保護する目的で藁縄をあてて養生を行ったのですが、傷があまりにも大きかったのと、サクラという腐朽に弱い性質の樹木であったために、木部の傷口から腐朽が広がったと思われます。
しかし、、このキノコは以前紹介したベッコウタケとは違って、樹木の生きた組織を侵すものでは無いので急速にサクラが衰弱すると言う事はないのではと考えています。
今は、来春も沢山の花をつけ、診療所の方々やここを訪れる人たちの目を楽しませてくれるように生育の様子を注意深く観察していきたいと思っています。
キノコが発生している枝の上方に見える青いワイヤーは、この枝が付け根から裂けないように反対側に引張っているものです。実はこのサクラ、4年ほど前に建設会社のトラックの荷台の一部がぶつかり、その際に枝の付け根の部分が裂けて大きな亀裂が出来てしまいました。そこで、枝が落ちないようにワイヤーで反対方向に引張っているのです。傷口には殺菌防腐剤を塗布し、傷口を保護する目的で藁縄をあてて養生を行ったのですが、傷があまりにも大きかったのと、サクラという腐朽に弱い性質の樹木であったために、木部の傷口から腐朽が広がったと思われます。
しかし、、このキノコは以前紹介したベッコウタケとは違って、樹木の生きた組織を侵すものでは無いので急速にサクラが衰弱すると言う事はないのではと考えています。
今は、来春も沢山の花をつけ、診療所の方々やここを訪れる人たちの目を楽しませてくれるように生育の様子を注意深く観察していきたいと思っています。
百合の花 ― 2010/07/15 08:22
冬の間に百合の球根を植えておいたのが先日やっと開花しました!場所は我が家の玄関脇の狭い植込みの中です。植えた本人(私の妻)が黄色の花が咲くはずよ!と言っていたはずなのに咲いてみればびっくり、鮮やかなピンクの大輪の花でした。多分、本人の記憶違いだろうと思いますが、華やかで明るい印象の花だったので私としては結構気に入って毎朝眺めて、良い香りを楽しんだりしています。
我が家の百合
特に梅雨の今の時期、バラを始め殆どの庭植えの花は元気がなかったり、開ききらないうちに蕾を落としたりしています。そんな中、元気いっぱいに咲いてくれる花は庭のアクセントとしてもとても貴重なものです。春先から、沢山の草花にあふれていたはずの庭が急に色を失ってしまうのはさびしいものですから…。
ただ、ユリの球根は背が高くなるのを考慮して、我が家のように狭い植込みに植えるよりも庭の背景として植栽の後方や、フェンスの手前などに配置する方がバランスがとれるかもしれません。
百合に限らず、チューリップやクロッカス等の球根の植物は、植えておけば必ず花を咲かせてくれるし、害虫や病気の心配も少なくて済みます。皆さんも来春のガーデンプランの中に是非球根を植えこむ事をお勧めします。丁度、今頃から園芸カタログなどでも色んな品種の花が取り上げられています。
カサブランカや八重咲きの品種も良いのですが、清楚な感じで庭の他の樹木との相性もいい鉄砲ユリなんかもお勧めですよ!
ただ、ユリの球根は背が高くなるのを考慮して、我が家のように狭い植込みに植えるよりも庭の背景として植栽の後方や、フェンスの手前などに配置する方がバランスがとれるかもしれません。
百合に限らず、チューリップやクロッカス等の球根の植物は、植えておけば必ず花を咲かせてくれるし、害虫や病気の心配も少なくて済みます。皆さんも来春のガーデンプランの中に是非球根を植えこむ事をお勧めします。丁度、今頃から園芸カタログなどでも色んな品種の花が取り上げられています。
カサブランカや八重咲きの品種も良いのですが、清楚な感じで庭の他の樹木との相性もいい鉄砲ユリなんかもお勧めですよ!
長崎研修 ― 2010/07/28 14:33
先週の木曜7/22、金曜7/23日の2日間私が所属しています街路樹診断協会九州支部の長崎研修に参加してきました。初日は長崎県造園建設業協会の方々と一緒に街路樹の剪定の方法と、近年、ニュースにもなっている倒木の危険性のある街路樹の見分け方についての勉強をしました。
仙台市の定禅寺通りのケヤキの倒木や鶴岡八幡宮のイチョウの御神木が倒れたニュースは皆さんもご存知かと思います。
『あの元気だった木が風のない日に突然倒れた!』とか新聞の紙面では書かれたりしていますが、樹木医の立場から言わせてもらえば一見元気に見える樹木(街路樹)でも根元にキノコが生えていたとか、枝を切った痕が腐朽しており幹内部での空洞が広がっていた等の何らかのサインがあったはずです。
ふだんの剪定作業や消毒作業ではそんな些細なサインは見逃しがちになるものです。そこで、樹木医が中心となって活動をしている街路樹診断協会と造園の仕事をされている方々とが一緒に研修を行いました。内容は倒木の事例発表に加え、実際に長崎市内の街路樹を見ながら危険樹木の見分け方と、倒木の危険にならないような適切な維持管理の仕方について研修を行いました。
仙台市の定禅寺通りのケヤキの倒木や鶴岡八幡宮のイチョウの御神木が倒れたニュースは皆さんもご存知かと思います。
『あの元気だった木が風のない日に突然倒れた!』とか新聞の紙面では書かれたりしていますが、樹木医の立場から言わせてもらえば一見元気に見える樹木(街路樹)でも根元にキノコが生えていたとか、枝を切った痕が腐朽しており幹内部での空洞が広がっていた等の何らかのサインがあったはずです。
ふだんの剪定作業や消毒作業ではそんな些細なサインは見逃しがちになるものです。そこで、樹木医が中心となって活動をしている街路樹診断協会と造園の仕事をされている方々とが一緒に研修を行いました。内容は倒木の事例発表に加え、実際に長崎市内の街路樹を見ながら危険樹木の見分け方と、倒木の危険にならないような適切な維持管理の仕方について研修を行いました。
2日目は場所を島原市に移して、サクラの不定根誘導の実例を見学しました。
樹木の種類によっては幹や枝に出来た傷口や罹病部から不定根と呼ばれる根を伸ばし易いものがあります。
通常、幹の高い位置からは枝葉が伸びるのが普通で、根が成長するのはあり得ないと考えるのが当たり前のように思うのですが、樹木は動物と違い1つの細胞がその環境によって、葉や枝に成長したり、根に成長したりします。幹のうろになっている部分など光の弱い個所では根を発達させるのです。特にサクラやケヤキ等の樹木は何もしなくても腐朽部から不定根を伸ばしているのを見かけます。
我々樹木医は弱った樹木の樹勢を回復させる1つの手段として、不定根を人為的に出させて、それを地面に誘導し、今までの弱った根っこのバイパスとして活用する事があります。
下の写真は島原市の総合運動公園のソメイヨシノに為的に不定根を誘導した例です。
不定根の誘導実験
三俣になっている真ん中の幹に張り付くように不定根が伸びているのが判ります。将来は下の土壌まで誘導し衰弱している現在の根の補助的役割を担わせる予定です。
不定根を地面まで誘導するには写真のように不定根が少し伸び出している傷口付近を黒いビニールやわら縄等で遮光し、中が乾燥しすぎないようにある程度保湿する必要があります。さらに、ビニールやわら縄と幹との間にピートモスに木炭を混ぜた改良材を詰めてあげると発根性に優れるみたいです。
三俣になっている真ん中の幹に張り付くように不定根が伸びているのが判ります。将来は下の土壌まで誘導し衰弱している現在の根の補助的役割を担わせる予定です。
不定根を地面まで誘導するには写真のように不定根が少し伸び出している傷口付近を黒いビニールやわら縄等で遮光し、中が乾燥しすぎないようにある程度保湿する必要があります。さらに、ビニールやわら縄と幹との間にピートモスに木炭を混ぜた改良材を詰めてあげると発根性に優れるみたいです。
この作業を実際に行った福岡の樹木医の話だと、不定根の誘導処置後3年目だという事です。それにしてはかなり太い根も見られて実験は成功だったとおもいます。後は周辺の土壌を柔らかく改良して、そこまで不定根を誘導してやるだけです。
熊本市内でもサクラの名所と言われている熊本城内御幸坂のソメイヨシノはここと同じくらい衰弱しているものがかなりあります。今度は是非、熊本城内のサクラでも不定根の誘導を行い、多くの市民の皆さんに少しでも長く花の季節を堪能してもらえればと感じました。
公園樹木の剪定作業 ― 2010/07/30 08:12
当社では丁度今の時期、お盆前の個人庭園の庭木の剪定作業に追われています。毎朝、竹ばしごと脚立をトラックに積んで、手伝いの職人さんも含めて6~7名で個人のお客様のお庭に作業に出かけていきます。
また、写真のような公共施設の樹木剪定も丁度この時期に重なるように依頼があります。どこの役所でもお盆前の帰省シーズンを前に、少しでも町並みを綺麗に見せたいという気持ちがあるのでしょうか?
心掛けは良いのですが、仕事を行う側としてはこの時期に一気に作業が集中するのはあまり嬉しい事ではありません…。世の中の実情を考えた発注の仕方を考えてもらう事を強く希望します…。
そのせいで普段はあまり忙しくなくなってしまった業界も、この時期だけは極度の人手不足、当社としても社員だけでの対応は不可能なので、あらゆるつてを利用して人材確保に懸命です。
でも、最近熊本市内で職人さんを探そうとしても難しく、郊外の農家の長男さんが造園の仕事をやっているケースが意外に多く、うちの会社でも大変お世話になっています。
さて、下の写真ですが熊本市内の繁華街にある辛島公園での作業風景です。
高所作業車と脚立を用いてアカマツの剪定を行っています。殆ど年に1回程しか手入れをしないので、この日もアカマツには毛虫が沢山付いており、ご覧のように葉っぱもかなり食べられて緑が少なくやや衰弱気味でした。
どこの自治体も資金不足で、公共の緑地などは真っ先に予算カットの対象になっているようですが、これからの少子高齢化、人口の郊外から都心への回帰の時代にあって街中の緑に対する予算は削らないでほしいです!!
また、写真のような公共施設の樹木剪定も丁度この時期に重なるように依頼があります。どこの役所でもお盆前の帰省シーズンを前に、少しでも町並みを綺麗に見せたいという気持ちがあるのでしょうか?
心掛けは良いのですが、仕事を行う側としてはこの時期に一気に作業が集中するのはあまり嬉しい事ではありません…。世の中の実情を考えた発注の仕方を考えてもらう事を強く希望します…。
そのせいで普段はあまり忙しくなくなってしまった業界も、この時期だけは極度の人手不足、当社としても社員だけでの対応は不可能なので、あらゆるつてを利用して人材確保に懸命です。
でも、最近熊本市内で職人さんを探そうとしても難しく、郊外の農家の長男さんが造園の仕事をやっているケースが意外に多く、うちの会社でも大変お世話になっています。
さて、下の写真ですが熊本市内の繁華街にある辛島公園での作業風景です。
高所作業車と脚立を用いてアカマツの剪定を行っています。殆ど年に1回程しか手入れをしないので、この日もアカマツには毛虫が沢山付いており、ご覧のように葉っぱもかなり食べられて緑が少なくやや衰弱気味でした。
どこの自治体も資金不足で、公共の緑地などは真っ先に予算カットの対象になっているようですが、これからの少子高齢化、人口の郊外から都心への回帰の時代にあって街中の緑に対する予算は削らないでほしいです!!
辛島公園の剪定作業
街中の緑地帯や街路樹は単に潤いや安らぎを与えてくれるというばかりではなく、管理された緑はそこに住む人たちに安全を提供してくれる場、言い換えれば安全地帯でもあると思うからです。










