クスノキ土壌改良2014/11/27 08:25

 今年7月の記事でも紹介しました衰弱したクスノキ、調査を行い、管理者である市に報告を行ったところ、樹勢を回復するための処置を行う事になりました。
 下の写真は夏に撮ったものですが、葉っぱもボリュームも少なく、枝の先端が衰弱して枯れているのが分かります。

クスノキ現況

 以前行った調査で土壌環境が悪くなったために、衰弱しているという報告はしましたが、今回の処置では硬くなった周辺の土壌を柔らかくして、深植え状態による酸素不足を解消する事を目標としました。

 そこで、まず行ったのが根の周囲の硬く固まった土を取り除く作業です。ショベルで一気に土を掘ってしまうと根を痛める恐れがあるので、エアースコップという特殊な機械を用い、根の周辺の土を圧搾空気で吹き飛ばしながら掘り進めていきます。

エアースコップ

 この作業は端から見ているより結構大変です。吹き飛ばされた土や小さい石ころが自分の方にも跳ね返ってきます。

 深さ80センチ程まで掘って、通気を良くするための資材を敷設します。白い筒の中は軽石状の改良材が入っています。これを垂直方向と横方向に何本も設置していきます。

酸素管設置

 次は土の埋め戻しです。元からあった土は殆どが山砂で、そのまま埋め戻しても元の様に固まってしまいます。そこで、付近の山から肥沃な黒土を搬入し、これに有機質と木炭を砕いた無機質の改良材を混ぜて埋め戻していきます。

 この作業においても、せっかく立てて固定した改良材の筒が倒れないように支えておくのに一苦労しました。


埋め戻し

 最後は、活力剤を混ぜた水をたっぷりと潅水して作業の終了です。このとき、使った水は全部で8000ℓあまり、このように大量の水で潅水する事によって、土とクスノキの根との間の隙間がなくなるように土を流し込みます。

 因みに、土壌の表面に見える黒くて丸い小さなものは、敷設した筒が土に埋もれてしまわないようにするためのプラスティック製の蓋です。

完了

 今回、改良を行ったのは直径10m程のコンクリート製のサークルベンチの中のみです。来春の様子を見ながらではありますが、今後はベンチの外側の非常に硬い山砂舗装の部分の改良を検討する必要がありそうです。

 来年の春の新緑の時期に沢山の葉が元気よく展開してくれる事を期待します。