春の準備 ― 2014/12/27 08:41
今年も今日を含めてあと5日ばかりとなりました。皆さんの中には年末年始の休暇に入ってらしゃる方も多いかと思います。当社も通常の営業は今日までですが、一部現場の作業が残っており、週明け月曜までは仕事をしなければならなくなりました。
そんな中、県南の八代方面まで樹木を見に行ってきました。来年の春のNHKカルチャー現地講座の訪問先を探すためです。講座自体は3月下旬から4月の上旬なのですが、広告の締め切りが年明けということで、「早めに見学地を決めておく必要があります。」と担当さんから催促されています。
これまでに県内の主な巨樹・古木は見ており、最近は福岡や佐賀、宮崎など県外中心だったのですが、県南の八代方面へはまだ訪れていないことに気づき、思い立ったが吉日ということで早速出かけて来ました。
最初に目をつけたのが、八代市の手前の小川町にあるクスの巨木です。
商店街の中に小川阿蘇神社という古いお宮があり、その境内の階段の途中に生えています。根元付近で二股に分かれており、大きく枝を伸ばし樹高は30m以上もあるとのことです。この木1本で上空から境内を覆い尽くすような大きさです。
次に向かったのは八代市内を流れる球磨川の河口付近にあるという「アコウ」の木です。アコウと言っても聞き慣れない方も多いかと思いますが、イチジクの仲間の常緑樹で、主に本州南部や九州や四国、沖縄の海岸線に自生する樹木です。種子が他の樹木の上で発芽し、着生して、やがては元の樹木を覆い尽くして枯らしてしまう事もあります。そのような事から別名「絞め殺しの木」とも呼ばれています。
上の写真でも分かるように、幹の途中からは沢山の気根を伸ばしています。これがやがて他の樹木に絡み付いて、自らの中に取り込んでしまうという事なんですね。
これは薄暗い熱帯や亜熱帯のジャングルで、いち早く日光を獲得し、成長を遂げるという生きるための機能でもあるのです。見た目はおどろおどろしい印象を受けるのですが、生存競争の激しい熱帯の森で生き抜く為に、自らの体を進化させた結果なのです。これはこれで見応えがあります。
このアコウの木のすぐ下は、球磨川が不知火海に注ぐ河口となっています。中州に小島が見えますが、その向こう岸には万葉集にも歌われた小さな無人島、水島があります。言われてみれば、歌になりそうなのどかで美しい眺めです。
この木も何十年いやそれ以上の長い歳月、この場所でこの夕日を見てきたことでしょう?
この日は樹木の候補地を4箇所ほど訪ねたのですが、この2箇所は是非、春の講座で訪れたいと思います。この続編は球磨川をさかのぼって人吉方面へ向かう予定です。次回の記事は来年になると思いますが、乞うご期待下さい!
今年はブログの更新が満足に出来ず、皆様への情報発信を十分に出来ませんでした。しかし、来年は緑の情報を数多くお伝えできるように頑張りたいと思っております。皆様にとって来年が良い1年となりますように。それではまた来年。