まるでビルの建設現場? ― 2009/11/25 17:52
写真は熊本市内の県営藤崎台球場の外野スタンド外に植えられているクスノキです。国の天然記念物にも指定されていますが、そのうちの1本が足場に覆われてまるでビルの建設現場のような状態になっています。
実はこのクスノキ、昨年の夏以来先端の枝から枯れ始め、現在では幹の上部半分ほどに衰弱が見られるようになってしまいました。
そこで、幹の周りにこのような足場を組んでクスノキを観察、調査を行い衰弱の原因を調べようということになりました。
実はこのクスノキ、昨年の夏以来先端の枝から枯れ始め、現在では幹の上部半分ほどに衰弱が見られるようになってしまいました。
そこで、幹の周りにこのような足場を組んでクスノキを観察、調査を行い衰弱の原因を調べようということになりました。

本日、仲間の樹木医3人と一緒に私もこの足場に登って、樹木の様子を間近から観察してきました。足場の高さは22m、この場所が市内の高台といこともあって、上から見下ろす景色は
素晴らしいというか、チト冷や汗ものでもありました。
肝心の枝の状態は下の写真で分かる通りかなり深刻なものです。
素晴らしいというか、チト冷や汗ものでもありました。
肝心の枝の状態は下の写真で分かる通りかなり深刻なものです。

大枝はかなり低い位置から衰弱が始まっており、先端部分ではご覧の通り、ほとんど枯れてしまっています。当初は周辺の土壌が長い年月の間に踏み固められた結果、枝の先端から衰えが始まったのではとか、ここ数年続く夏場の高温乾燥が老木の体に鞭打ったのではと考える樹木医の仲間もいました。しかし、現状を見た限りではそんな単純なものが原因ではなさそうです。弱っている個所ではクスノキの葉っぱが光沢を失い、次第に色あせて、大きさも小さくなって落葉している様子からは、何かの病気に侵されていることも十分に考えられます。今、この調査を担当している樹木医の仲間がこのクスノキの組織を分析機関に持ち込んで、病原菌の特定を行っている最中です。
この7本のクスノキの巨木群は夏の野球観戦時には外野スタンドにも木陰を提供し、夏の熊本の代表的な風景を演出しています。また、高台に位置しているために、下から見上げた時の存在感は圧倒的で、まさしく森の都熊本を象徴する緑の風景だと思います。
この素晴らしいクスノキ群が元気を取り戻すように、樹木医仲間と力を合わせて何らかのお役に立ちたいと考えています。
この7本のクスノキの巨木群は夏の野球観戦時には外野スタンドにも木陰を提供し、夏の熊本の代表的な風景を演出しています。また、高台に位置しているために、下から見上げた時の存在感は圧倒的で、まさしく森の都熊本を象徴する緑の風景だと思います。
この素晴らしいクスノキ群が元気を取り戻すように、樹木医仲間と力を合わせて何らかのお役に立ちたいと考えています。