ヤドリギ ― 2010/01/19 10:18
写真は熊本城の長塀沿いに竹ノ丸方向を写したものです。正面の大きなエノキの枝先に何やら球状のマリモのようなものがくっついているのが判ると思います。
これはヤドリギといって常緑の寄生植物の一種です。エノキの他、ケヤキやブナ、ミズナラなどの落葉広葉樹に寄生して生長します。
これはヤドリギといって常緑の寄生植物の一種です。エノキの他、ケヤキやブナ、ミズナラなどの落葉広葉樹に寄生して生長します。
他の樹木に取り付いて生長する植物には、クワ科のアコウ(別名絞殺しの木)やオオイタビ、それから、ナツヅタ等がありますが、いずれも日光を求めて他の樹木を利用しているにすぎません。しかし、このヤドリギは根を幹の中に食い込ませ、寄生した樹木から水分と養分を吸収して生長しています。まさに寄生植物ということになります。
ただ、ヤドリギが寄生したことが原因で樹木が枯れてしまうという事はほとんど無いと思います。樹木が落葉の季節にはご覧のように目立つのですが、葉っぱがついてる間はほとんど目立たず、樹木の陰でひっそりと生育している印象があります。繫殖法もヤドリギの実を食べた野鳥が木に止まって糞をし、それが樹木の枝についてそこから発芽するというものです。そういった自然の営みが無ければ生育できない植物でもあります。言い換えれば、存在自体、自然の多様性の賜物なのです。ここ熊本城周辺も市街地の真ん中ですが、沢山の緑があって景観の良さだけではなく、動植物にも居心地の良い場しなのかも知れません。
そういえば、欧米ではヤドリギをクリスマスの飾りつけに使うそうです。イギリスではクリスマスの季節にヤドリギ(Kissing Ball)の下にいる若い女性はKissされること拒否すると翌年は結婚のチャンスがない。との言い伝えがあるそうです。だから恋人同士がヤドリギの下でキスをすると結婚の約束を交わしたことを意味します。また「幸福と長寿の予言」でもあるそうです。
丸くボールのように生長する様子はどこか幸せを暗示させるのかも知れません。