巨樹・古木? ― 2010/06/04 13:36
昨日、会社の近所を歩いていたら遠くに巨大化したサボテンらしきものを発見しました。
すかさず、近くまで行ってみるとご覧の通り!
すかさず、近くまで行ってみるとご覧の通り!
民家の庭先から柱サボテンがニョッキリ生えていました。ざっと見た所でも高さ8m 幅3mはある巨大なもので、明らかに周囲の景観とはミスマッチの変な雰囲気を漂わせていました。
私のイメージでは、西部劇に出てくる、騎兵隊がインディアンと死闘を繰り広げる背景として映っているものとの印象があるのですが…。
柱サボテンの仲間は原産地に於いて、かなり巨大に成長し、乾燥地帯の荒野には良いアクセントとして風景を作り上げています。しかし、九州の田舎町の住宅街の中で見るとやっぱり、奇妙な存在感のみが感じられます。
観葉植物の寄植えセミナー ― 2010/06/07 08:59
ここ5~6年前から、年に1度、熊本市動植物園に於いて緑に関するセミナーを担当させていただいています。
今回のテーマは昨年同様、“土づくりから学ぶ観葉植物の寄植え”です。
まず最初に、植物の生育にとって土(土壌環境)がいかに重要かの説明を行い、その後、一般的に用いられている園芸用土7種類ほどの説明を行いました。それから、皆さんに5種類の用土を実際に混ぜ合わせてもらい、観葉植物用の土を作りました。
そして、いよいよ観葉植物の植付作業です。今回は比較的丈夫で花も楽しめる“スパティフィラム”とシダの仲間で清涼感のある葉が美しい“セイヨウタマシダ”の寄植えを行いました。この日、用意したタマシダの苗がかなり茂った状態で、寄植えにするには少し大き過ぎたために、株分けを行った後に、その片方の苗を“スパティフィラム”と一緒に植付ました。
今回のテーマは昨年同様、“土づくりから学ぶ観葉植物の寄植え”です。
まず最初に、植物の生育にとって土(土壌環境)がいかに重要かの説明を行い、その後、一般的に用いられている園芸用土7種類ほどの説明を行いました。それから、皆さんに5種類の用土を実際に混ぜ合わせてもらい、観葉植物用の土を作りました。
そして、いよいよ観葉植物の植付作業です。今回は比較的丈夫で花も楽しめる“スパティフィラム”とシダの仲間で清涼感のある葉が美しい“セイヨウタマシダ”の寄植えを行いました。この日、用意したタマシダの苗がかなり茂った状態で、寄植えにするには少し大き過ぎたために、株分けを行った後に、その片方の苗を“スパティフィラム”と一緒に植付ました。
当日の参加者は小学生も含めて十数名、いつもより少なかったのですが、その分、皆さん最初の土づくりの作業からとても楽しそうに和気あいあいとされてたので、終始和やかな雰囲気のセミナーとなりました。
次回は、来年と言う事になりそうですが、皆さんの中で熊本市近郊にお住まいで、ガーデニングに興味のあられる方は是非、ご参加ください。講師の私が責任を持ってご指導致します。植物が良く育つだけではなく、きっと皆さんのセンスアップにつながるハズ!(笑)
自宅のバジル ― 2010/06/09 08:12
熊本では梅雨入り前の蒸し暑く、うっとうしい日々が続いています。今朝のテレビでは今週末か、来週初めには九州南部から梅雨入りと言ってました。そんな、人間にとってはあまり嬉しくない季節でも、元気に成長している植物(野菜)があります。
そう!イタリア料理で良く用いられる“バジル”です。このバジル元々はイタリアが原産地ではなくインドから東南アジアにかけてが原産で、そんなことから、日本の今の季節の蒸し暑さが大好きなのです。そういえば、ロイホのシンガポールフェアで出てきた焼き飯みたいなメニューの中にも油で炒めたバジルが入っていました。美味しかったですよ。
そう!イタリア料理で良く用いられる“バジル”です。このバジル元々はイタリアが原産地ではなくインドから東南アジアにかけてが原産で、そんなことから、日本の今の季節の蒸し暑さが大好きなのです。そういえば、ロイホのシンガポールフェアで出てきた焼き飯みたいなメニューの中にも油で炒めたバジルが入っていました。美味しかったですよ。
うちのバジル、道の駅で種を買ってきて播いたのが3月下旬、タイミングが少し早すぎたせいか、なかなか大きくならず、2ヶ月半かけてやっとこの大きさ(15㎝程度)です。直径30㎝のテラコッタにでてきた新芽を間引きしたり、他のプランターに移植したり、毎日の観察と定期的な水やり肥料やりも欠かさず、手塩にかけて育ててみました。(笑)
目標は今の倍の30㎝程に育て上げ、たっぷりと収穫してオリーブオイル、松の実、パルメザンチーズ等と混ぜて“ジェノバペースト”を作ります。
そうそう、その為にはまず、ブラウン社製の新しいフードプロセッサも購入しなければ!TVショッピングで宣伝している“マジックブレット”よりも本格的で、男の料理には欠かせないアイテムかも?(笑)
目標は今の倍の30㎝程に育て上げ、たっぷりと収穫してオリーブオイル、松の実、パルメザンチーズ等と混ぜて“ジェノバペースト”を作ります。
そうそう、その為にはまず、ブラウン社製の新しいフードプロセッサも購入しなければ!TVショッピングで宣伝している“マジックブレット”よりも本格的で、男の料理には欠かせないアイテムかも?(笑)
出張講師 ― 2010/06/21 08:45
先週の金曜、土曜の両日、福岡県久留米市まで造園技術の資格試験の講師として行ってきました。試験の内容は樹木を植栽する際の土壌の判断と改良についてを問うものです。
社団法人日本造園建設業協会が開催する“植栽基盤診断士”と言う名前の試験で、9月に全国各地で学科試験があり、11月に東京会場で実技試験があります。その学科試験の講師を努めました。土の勉強という地味なテーマにもかかわらず、受講者の皆さん結構真剣に聴いておられたので、話し手としても思わず熱が入ってしまいました。(汗)
後は本番の試験に向けてしっかり勉強されて、受講者の方々の全員合格を祈るのみです。
下の写真は講義の内容とは別に関係ありません。会場となった久留米市田主丸町のホールのすぐ近くにあるJR久大線田主丸駅の駅舎です。
社団法人日本造園建設業協会が開催する“植栽基盤診断士”と言う名前の試験で、9月に全国各地で学科試験があり、11月に東京会場で実技試験があります。その学科試験の講師を努めました。土の勉強という地味なテーマにもかかわらず、受講者の皆さん結構真剣に聴いておられたので、話し手としても思わず熱が入ってしまいました。(汗)
後は本番の試験に向けてしっかり勉強されて、受講者の方々の全員合格を祈るのみです。
下の写真は講義の内容とは別に関係ありません。会場となった久留米市田主丸町のホールのすぐ近くにあるJR久大線田主丸駅の駅舎です。
会場に向かう際に車から見かけた時には某保険会社のキャラクターである“招き猫ダック”かと思いました。(笑)
しかし、地元の方に話を聞いてみると“河童”なのだそうです。なんでも、田主丸町の真ん中を筑後川が流れていて、この地には昔から河童にまつわる伝説がいくつもあるそうです。街中にはこの“招き猫ダック河童”をはじめとして、4か所に河童の石像が飾られているとの事でした。こうした川を中心とした文化と耳納連山の豊かな緑、もう一度訪れたくなるような場所でした。
熊本市内K様邸 ― 2010/06/22 14:38
今年の1月から2ヶ月程の工期で個人宅の植栽工事を行いました。
完成当初は落葉樹も芽立ち前で、草花の茂り具合もまばらで
少々さびしい雰囲気もあったのですが、完成から約3カ月でご覧のように庭らしくなりました。
完成当初は落葉樹も芽立ち前で、草花の茂り具合もまばらで
少々さびしい雰囲気もあったのですが、完成から約3カ月でご覧のように庭らしくなりました。
ここには、奥に見えるクロガネモチとマキの木が植えられていたのですが、マキを伐採して、どちらかと言えば洋風の庭に作り替えました。
施主のご希望は、草取りの手間がかからないようにという事と庭で人が集まれるような雰囲気を作ってほしいという事でした。
そこで、草が茂っていた個所に白っぽい厚手のタイルと樹木の周りには砂岩で出来た黄色っぽいサークル状の敷石を配置しました。
そして、お隣との境にはウッド(ウリン材)のフェンスとアイアンメッシュのフェンスを組み合わせたものを配置しました。アイアインの部分には蔓性のクレマチスを這わせたり、ハンギングプランターを掛けて自由に楽しまれているみたいです。
上の写真で分かるように、タイルの一部をレンガに替えて張ってありますが、奥行きを感じていただけるように一部をカーブさせてあります。
植栽については高木のソヨゴ、ヤマボウシ、ヒメシャラ、アオダモ、エゴノキ等、中木のハイノキ、ツリバナ、ヤマコウバシ等、低木・地被類はアセビ、オオデマリ、ブルーベリー、ヤブコウジ、フッキソウ、斑入りヤブラン等を植えています。
樹木については出来るだけ日本の固有種で九州の野山でも普通に見かける事が出来るものをと考えてお薦めするようにしています。今後の生育の状況、病害虫の被害諸々を考慮するとむやみやたらに流行の外来種を使うべきではないと思うからです。
なので、洋風の庭に作り替えたと言いましたが、厳密には和洋折衷の庭ではないかと考えています。
施主様は御茶をたしなまれるので、今度ここに茶のお友達を招待するとおっしゃってました。お友達の皆さんと庭で楽しく、心地よいひと時を過ごしていただければ庭の作り手としても大変幸せな事です。
街路樹としての価値 ― 2010/06/23 11:51
丁度1月程前にこのブログで県道の植樹帯の維持管理を行っている様子をアップしましたが下の写真は前回の場所から1㎞程郊外へ向かった場所にある街路樹?です。
しかし、変な形ですよね!これはうちの現場担当社員の腕が悪くて剪定を失敗したとか言う事では決してありません。(汗)
原因は樹木が生育している環境の悪さにあるのです。
私の見立てでは樹木の根が張っている範囲の土壌(土)の不良によるものです。おそらく、根が成長していける土壌の範囲が非常に限られており、根系がうまく生育できないのと、もう一つは、現地の透水性が不良で、土中のごく浅い範囲にしか根を張れないため、枝の先端から衰弱が広がったものと考えられます。それから、周囲がアスファルトに囲まれていて夏の照り返しが強いのも影響があると思います。
しかし、変な形ですよね!これはうちの現場担当社員の腕が悪くて剪定を失敗したとか言う事では決してありません。(汗)
原因は樹木が生育している環境の悪さにあるのです。
私の見立てでは樹木の根が張っている範囲の土壌(土)の不良によるものです。おそらく、根が成長していける土壌の範囲が非常に限られており、根系がうまく生育できないのと、もう一つは、現地の透水性が不良で、土中のごく浅い範囲にしか根を張れないため、枝の先端から衰弱が広がったものと考えられます。それから、周囲がアスファルトに囲まれていて夏の照り返しが強いのも影響があると思います。
衰弱のため元の樹木の半分程の高さになったアキニレ
現地には同じような生育不良の街路樹が10本程あります。当社としては改善措置として土壌の改良による透水性の向上と、土壌を柔らかくする方法を提案するつもりです。
ただ、いつもの事ながら、予算がない等の理由で行政側から門前払いされなければ良いのですが…。熊本の海側からの玄関口にあたる道がこの様子では、折角他県から訪れたお客様に決して好印象は与えられないはずです。
限られた財源ではあるのでしょうが、新しいものをしゃにむに作るのではなく、今あるものの価値をもう一度見直し、生かしていくという考えで公共事業を行うのは悪くないと思います。
現地には同じような生育不良の街路樹が10本程あります。当社としては改善措置として土壌の改良による透水性の向上と、土壌を柔らかくする方法を提案するつもりです。
ただ、いつもの事ながら、予算がない等の理由で行政側から門前払いされなければ良いのですが…。熊本の海側からの玄関口にあたる道がこの様子では、折角他県から訪れたお客様に決して好印象は与えられないはずです。
限られた財源ではあるのでしょうが、新しいものをしゃにむに作るのではなく、今あるものの価値をもう一度見直し、生かしていくという考えで公共事業を行うのは悪くないと思います。
このままで夏の高温と乾燥に耐えていけるのだろうか?
シダレヤナギ ― 2010/06/29 08:02
ここ数日、梅雨本番を思わせる雨の日が続いています。昨夜より熊本県を含む九州北部地方でも大雨洪水注意報が発令され、河川の増水や土砂崩れに注意するようにテレビでも呼び掛けてました。
大きな災害が起きない事を祈るばかりです。
こんな雨の季節、人の心と同じように木々の緑や花の色もくすみがちなんです。しかし、ご覧のシダレ柳の木は雨の中でも絵になる樹木の一つではないでしょうか?葉っぱが細くしだれる姿が雨粒を連想させるのか、或いは、川面に映る姿が何となく雨を思い起こさせるのかも?
大きな災害が起きない事を祈るばかりです。
こんな雨の季節、人の心と同じように木々の緑や花の色もくすみがちなんです。しかし、ご覧のシダレ柳の木は雨の中でも絵になる樹木の一つではないでしょうか?葉っぱが細くしだれる姿が雨粒を連想させるのか、或いは、川面に映る姿が何となく雨を思い起こさせるのかも?
上の写真は熊本市内日本郵政熊本支社前の川沿いのシダレ柳です。
実は先日熊本市役所の街路担当課から、この樹木の根元部分に異常個所らしきものがあるので至急健康診断をしてほしいとの連絡をもらいました。早速現地に赴いたときに全景を写したものです。
遠目には健全そうに見える樹木でも、幹周辺を詳しく観察してみると下の写真のとおり。
まさに満身創痍の状態で、過去に受けた様々なダメージが大きな傷となって残っていました。
その証拠が直径0.5~1㎝に満たない沢山の小さな孔です。これはカミキリムシがフンを外に出すための排フン孔と呼ばれるものです。孔の数からいってかなりの数のカミキリムシが樹木の木部を食害していたと推測されます。また、1.5m程の個所にはカミキリムシの食害痕から出来た横方向の亀裂も確認できます。
しかし、さらに深刻なのは根元付近に確認できる空洞です。樹木の表から見る限りでは直径7~8㎝程の小さな空洞でしかありませんが、奥行きは深く、幹の反対側へと続いていました。さらに、この空洞の周辺を樹木医の必需品である木槌で叩いてみると『ポコポコ』という内部の空洞、或いは腐朽を示す異常音を確認でき、その範囲は幹の上の方4m程の高さまで広がっていたのです。
外から見ただけでは判らなかった内部の腐朽はかなり深刻な状態まで進んでいました。
このような事実を踏まえてA4判4ページ程の報告書を書いて提出しました。その結論はこのシダレ柳は強風の際に倒木の危険があるので、伐採して新しい樹木を植栽するとの事になりました。おそらく根元付近に大きな空洞が出来た原因は、カミキリムシの食害痕から腐朽が広がったものではなく、周辺の道路の舗装や石垣の設置をする際に、シダレヤナギの根を切断してその傷痕から腐朽菌が侵入したものではないかと推測されます。もちろん、カミキリムシの食害による樹木の衰弱が腐朽の拡大を助長した事はあると思いますが、空洞の大きさから考えて、根系の切断のような大きなダメージを受けた事が原因と考えるのが自然だと考えます。
少し長くなってしまいましたが、あとは行政の担当者が伐採した後にちゃんと後継樹となるシダレヤナギを植栽してくれて、川面に映る緑のイメージを壊さない事を祈ります。