ツリークライミング2014/09/26 12:22

 先日、樹木医の研修会で水俣市まで出掛けてきました。と言っても、樹木の病気や害虫、治療法に関する勉強会ではなく、ツリークライミングの技術を生かして、木の枝を剪定する方法について学ぶためです。これまで、脚立や梯子が届かない高所では、高所作業車やクレーン等の機械を利用して剪定を行って来ました。しかし、この方法では、機械自身のゴンドラが邪魔になったりして、思うような剪定が出来なかったり、機械が設置できないような場所では剪定そのものが不可能となり、枯れ枝を、そのまま放置というケースも少なくありませんでした。

 今回の研修では、ロープワークにより大枝の先端まで登っていく事が可能となり、これまで不可能だった細かい枝先での作業ができるため、剪定作業の範囲が格段に広がる事になり、また、より繊細な剪定作業も可能になります。


ツリークライミング1

 地上から10m程の枝に登っている写真です。実際にクライミングを行っているのは私ではありません。福岡県久留米市から来てくれた樹木医の仲間です。上の枝にロープを投げて引っ掛け、その先端を別の樹木に固定します。後は反対側のロープをたぐり寄せるようにしていけば自分の体が、たぐり寄せた分上に上がるという仕組みです。

 もちろん、ツリークライミングは一人では出来ません。地上にいて、ロープを引っ張ったり緩めたり、木に登っている人との呼吸を合わせるのが上手くいくためのコツだそうです。



ツリークライミング2


 この日は、チェーンソーでご覧のタブの木の枝の剪定を行ってもらいました。確かに、高所作業車のゴンドラに乗ったままでは、木の枝が邪魔になって、思うような細かい剪定が出来ずに、枝の根元からバッサリと枝を落としてしまうのが関の山です。しかし、ご覧のように枝の上に立てれば、細かな作業も可能になります。

 講習会の後半では見学者で希望する人がクライミングを体験しました。私も登ってみようと一生懸命にロープをたぐり寄せたのですが、実際に上にあがったのが3〜4m程度でしょうか?思うようには上手くいきません。体力だけ消耗する感じです。

 本格的にクライミングを行うためには、泊まり込みで協会認定の講習を受けて、実技の他にも安全対策等の勉強もする必要があるとか。
 この日、講習を受けた熊本の樹木医の中で数名の若手が講習会の事を真剣に尋ねていました。もう少し若ければ、私もチャレンジしてみたいと思うのですけれど…。