桐の花2015/05/11 09:37

 少し前の話ですが、国道沿いを車で走っていたら道ばたに藤色の花を咲かせた樹木を見かけました。てっきり、藤が他の樹木に巻き付いているのだろうと思っていたら、花序が上を向いて出ています。気になったので脇道に車を停めてみて見ると、高さ10メートル程の桐の木が3本程立っていました。おそらく、実生でここに育ったものだと思われます。

桐の木

 桐と言えば桐のタンスが有名です。成長が早く材がとても軽いので、軽さが要求されるタンスの材料として古くから栽培されていたようですが、最近では家具の需要の落ち込みとともに日本で栽培される事は殆どなくなったとの事でした。ですので、今見られる桐の木は殆どが実生の可能性が高いと思われます。

 もう一つ桐で思い浮かぶのは豊臣秀吉の紋章でおなじみの五七の桐ではないでしょうか?日本政府の紋章としても使われており、首相が演説をする際の台には五七の桐があしらわれています。
 そこで、私もどうにかして桐の紋章のような写真を撮ろうと思ったのですが、花序につく花の数が多すぎて上手く行きません。やっぱり紋章というのはカッコイイように図案化したものなのですね。

桐の花2

 花は上向きに咲いており、枝の先端に集まっているので遠くからは分かりにくいのですが、近寄ってみるとかなり大きな花です。一つの花径が5〜6センチ以上もあるでしょうか。藤のような良い香りがするかと鼻を近づけてみたのですが、残念ながらあまり香りはしませんでした。

桐の花1
 
 九州ではサクラの季節はとっくに終わってしまいましたが、今回紹介した桐の花や栃の花など、樹木の花の季節はまだまだ続きます。サクラのような華やかさはないのですが、次第に蒸し暑くなってくるこの季節に、清涼感を与えてくれるような花ばかりです。是非、皆さんも公園の樹木や街路樹などを足を止めて眺めてみてください。