前回の続き ― 2012/07/24 09:38
現地講座の下見で前回までは高森町の巨樹・妖樹(?)をお伝えしましたが、今回は、その続きで高森町からお隣宮崎県高千穂町に至る後半部分です。
まず最初は阿蘇外輪山の峠を越えて、宮崎県との県境に近い草部吉見神社へ。案内には宮崎県の鵜戸神宮、群馬県の貴前神社と並び「日本三大下り宮」の一つとありました。どういう事なのかと考えつつ神社へ向かってみると、その言葉通り、境内に入るには杉木立の中の階段をひたすら降りていきます。新しく整備されたと思しき石段で表面がつるつるしていてなかなか怖い!手摺にしっかりと掴まりながらの参拝となりました。
まず最初は阿蘇外輪山の峠を越えて、宮崎県との県境に近い草部吉見神社へ。案内には宮崎県の鵜戸神宮、群馬県の貴前神社と並び「日本三大下り宮」の一つとありました。どういう事なのかと考えつつ神社へ向かってみると、その言葉通り、境内に入るには杉木立の中の階段をひたすら降りていきます。新しく整備されたと思しき石段で表面がつるつるしていてなかなか怖い!手摺にしっかりと掴まりながらの参拝となりました。
そして、神殿の左側にお目当ての杉の巨木を発見しました。樹高40mを超えるとされてるだけあり、なかなかの迫力です。先ほど抜けてきた杉木立(上の写真)は、まだまだ小さい、子供や孫のように感じられます。
杉の巨木に別れを告げ国道325号線に架かるループ橋を渡れば、宮崎県の高千穂町に入ります。
途中、国道を左折し、やや道幅の狭い道を走る事2~3分、のどかな田園風景の中にお目当ての「下野八幡宮」はあります。神社としては小さなものですが、その決して広いとは言えない境内には所狭しと杉やケヤキの巨木があります。
最初は鳥居の左側に、一際の存在感とともにある「逆さ杉」 です。なんでも源平合戦後、平家残党の討伐でこの地を訪れた武将が、討伐祈願として、ここに杉の苗を逆さに挿したのがその名の由来だとか…。なんだが勇ましい話ではあります。その姿もご覧の通り、かなり力感で見るものに迫ってくるようです。
次はこの鳥居の奥の左側にある「大イチョウ」です。幹の周りが9mもあるそうです。幹が途中から2又に分かれて、幹の表面はごつごつして年齢を感じさせるものがありますが、どちらの真直ぐに伸びています。
そして、三番手は拝殿の右側にある「ケヤキ」です。樹高30m、幹回り9.5mもある堂々とした姿です。辺りに巨木が立ち並んでおり、あたりが薄暗いせいか、幹全体にコケが付着している様子が何とも風格を感じさせます。
上記の杉、イチョウ、ケヤキは何れも国の天然記念物に指定されています。この他にも「有馬杉」と呼ばれる杉の巨木がありました。
何の変哲もない田舎の神社なのに、これだけ魅力的な樹木があるとは、新たに大切な場所を探し当てたようなうれしい気分になりました。
今回、最後に訪れたのが、天孫降臨の地で知られる「高千穂神社」です。さすがに観光地だけあって駐車場には観光バスやタクシーも多く停まっており、生憎の雨にもかかわらず、多くの参拝客で賑わってました。もしかしたら最近のパワースポットブームでお客さんも増えてのかもしれません。
境内には皇族お手植えのものも含め、多くの杉の巨木が生い茂っており、昼間でも薄暗さを感じます。ここでのお目当ては拝殿前にある「秩父杉」です。言い伝えによれば、源頼朝が天下泰平の祈願の為に秩父の畠山重忠を代参として派遣し、重忠が自ら植えたものだそうです。
樹齢800年 樹高55m 幹周7.15m カメラを引いて撮影してみたのですが、樹木の上半分は写真に収まりきれませんでした。
秩父杉の向かい側、拝殿の向かって左側には「夫婦杉」があります。2本の杉の木ですが、根元の部分がくっついた状態となっています。
いかなる事があっても別れられない形を表わしており、手をつないで3回まわると、夫婦、友人(婚約者)仲睦まじく、家内安全、子孫繁栄の願いがかなうそうです。周囲の木柵には祈願の絵札が沢山掛けられてましたし、丁度、この日も何組かの男女が仲睦まじく周囲を回っている姿を見受けました。
因みに、私も賽銭をあげて、お参りだけはきちんとしてきました。
阿蘇~高千穂にかけては実に多くの杉の巨木が神社のご神木として大切に保護されています。
九州の山里を代表する樹木といったところでしょうか。実際の講座は11月に開催されますが、今から皆さんをご案内する日が待ち遠しい気がします。
また、下野八幡宮への道を親切に教えていただいた高千穂町観光協会の方には大変感謝しております。講座当日にお会いできればと思っています。