日田の街路樹 ― 2013/10/24 09:33
先日、願掛け地蔵で有名な大分県日田市天瀬町にある高塚地蔵尊に行ってきました。熊本市内からだと高速道路を利用して2時間半程度で着きます。
ここの御神木は樹齢1000年ともいわれるイチョウの巨木です。実は数年前の現地講座でこのイチョウを見に来たのが始まりで、それ以来この場所の雰囲気が気に入って、ドライブがてら数回お参りに来ています。
周囲に何にもない山の中のお地蔵様なのですが、お参りにこられる人はひきもきらず、よっぽどご利益があるのでしょう?
私も御祈願をしてきたのですが、当然、『11月6日のNHKカルチャーの現地講座の日が晴れでありますように!』とのお願いもしてきました。
お地蔵様にお参りをした後、お昼を食べようと日田の街を訪ねました。
筑後川中流域で古くから林業で栄えてきたせいか、街自体はわりと活気があるように感じます。最近では江戸自体の町並みを残す豆田地区などを訪れる観光客も多いようです。
駅前の駐車場に車を停めて市内を散策していたところ、商売柄でしょうか、どうも気になるものが目に入ってきました。目抜き通りに植えられた街路樹が変なのです。
上の写真は駅のそばの目抜き通りのケヤキ並木です。本来ならばほうきを逆さにしたように大きく枝をはずの樹形が見事に失われています。枝を途中からぶつ切りにされたのでしょう?可哀想な姿になっています。
バラでスタンダード仕立てというものがありますが、
街路樹をこのような形に仕立てることはあり得ませんね!
おそらく、植えて数十年が経過し、大きくなりすぎて枝が建物や看板に接触したり、落ち葉の苦情が頻繁にあったのでしょう?挙げ句の果てに、ご覧のような強選定をされた姿になってしまったのだと考えられます。
少し離れた、国道沿いでも同じように短く切断されてしまったイチョウの姿が見られました。
このイチョウの場合は周辺からの苦情もあったかもしれませんが、おそらく上を通る電線の高さに合わせて切断されてしまったのでしょう。この分だと、生きている間は背を伸ばすことが出来なさそうです…。
このようなぶつ切りにされた街路樹は、何も日田市特有の風景ではありません。日本全国、もちろん我が熊本でも見られる光景なのです。
樹木の成長を促し、守り育てる立場としては胸が痛む光景でもあります。
しかし、
直接このようなぶつ切りを行った人ばかりを責める訳にもいかないようです。周辺住民の苦情や歩行者や通行車両の安全確保という意味合いもあると考えられるからです。
基本的には、街路樹を植える時に、将来樹木が生長した時の姿をしっかりと想像出来ていないことが一番の問題点だと考えます。
ヨーロッパアメリカなどの街にみられるような、ゆったりとした歩道であれば、ある程度自由に枝を伸ばすことも出来るのでしょうが、日本では都会の、しかもメインストリートといわれる道路以外では生育は難しいようです。
下の写真は、このケヤキ並木の根元部分を写したものです。狭い植栽帯の中で幹が縁石
に接触しており、いかにも窮屈な状態となっています。枝を切り詰める以外の根本的な対策が必要なようです。
今後、強選定を繰り返せば景観的に損なわれるばかりではなく、傷口から腐朽菌が入り枝が落ちたり、倒木の危険も高まってきます。
私としましては、大きくなりすぎた街路樹は別の場所へ移植を行うか、あるいは大きくならないような樹種に変更して植え替えを行うべきではないかと痛切に感じます。
あっ、そうそう!肝心のお昼ご飯です。日田といえば日田焼きそばということで、駅前の観光案内所で教えていただいたお店に入りました。
麺は固めにパリッ
と焼かれていて、ソースは若干甘めなのですが、多めのモヤシとピッタリあってなかなか美味しかったです。
焼きそばの味を噛み締めながら、街の景観について考える。大変有意義な休日でした。
紅葉の始まりの季節 ― 2013/10/29 15:42
あんなに暑くて長かった夏も、台風の通過とともに過ぎ去ってくれたようです。朝晩の冷え込みに、街なかにいても、やっと秋の気配を感じれるようになりました。
そんな中、昨日、天皇皇后両陛下が訪問されたとのニュースが流れていた熊本城へ行ってみました。夏の暑さが厳しすぎたせいでしょうか、市内から登ってくる坂道沿いに植えられたソメイヨシノは殆どが
すっかり落葉し、見る影もありません。しかし、場内の二の丸までやってくるとご覧のようにケヤキ並木が色づき始めています。
夏の猛暑と少雨のせいで例年より葉の量が少なく、若干さびしい感じはしますが、赤く色づきはじめたケヤキ並木は身近に秋を感じさせてくれる風景だと思います。
並木の先ではイチョウやエノキが梢の方から黄色く色づき始めています。
公園の入口付近には古いエノキもあります。ざっと見た感じでは幹周りが5〜6m程もあるでしょうか?エノキとしてはなかなかの古木です。幹の上部は朽ちてしまって失われていますし、幹の内部もほとんど空洞になっています。ドーナツ状になった樹皮の一部で命をつないでいるようです。
この時もこの樹の形が面白いからでしょうか他にも数名、この樹の写真を撮っている人達がいました。
帰り道、隣にある監物台樹木園に寄ってみました。ここでも紅葉はまだこれからという感じだったのですが、下の写真のような綺麗な赤い実をつけた樹木が目を引きます。皆さん、何の実だかわかりますか?
答えは サンシュユです。
3月の早春の頃、枝いっぱいに黄色い花を咲かせるミズキ科の樹木です。まだ、寒さの残る中で、いち早く真っ黄色になるので
目立つのですが、秋の実もグミに似てなかなか可愛らしいものがあります。因みに、この実は果実酒にしたり、乾燥させて薬用にしたりするそうです。
紅(黄)葉はまだ始まったばかり、この調子で行けば11月半ばが見頃といった感じです。みなさんも熊本城方面へ行かれる際には少し足を伸ばして二の丸公園や監物台樹木園に足を運ばれてみてはいかがでしょうか?
街なかよりも秋をずっと身近に感じられるはず!
第2回江津湖みなも祭り ― 2013/10/31 11:51
本年10月5日6日の週末に開催されました江津湖みなも祭り2013。
雨の中、それでもけっこうな数の来園者があった5日土曜日のようすから、秋晴れの空の下おおぜいの人々でにぎわいを見せた6日日曜日の模様までを動画でご紹介します。
わたくし松本もほんのちょっとだけ姿を見せております。
ヒッチコックの映画の真似ではないのですが、お分かりになられるでしょうか・・・?
*動画の長さはおよそ10分ほどになります。