滴水(たるみず)のイチョウ2014/01/10 08:27

皆さんあけましておめでとうございます。
今年は正月明けから何かと慌ただしい毎日を過ごしており、このブログの更新も今頃になってしまいました。

さて、毎年春秋の2回行っているNHKカルチャーの巨樹・古木講座ですが、広告の締め切りの関係で、4月の講座の行程を来週半ばまでに決めなければいけないと主催者に言われています。(汗)
そこで、昨日仕事の合間を縫って下見に出かけてきました。

今回は、かねてから要望の多かった、桜の見頃に合わせたコースを県北部の菊池〜山鹿方面をめぐるルートで考えています。去年の春も同じようなことを考えて枝垂れ桜を見にわざわざ宮崎県まで出かけました。しかし、4月初旬にも関わらず、すっかりの葉桜、今回こそはとリベンジのつもりで綿密な計画を立てる予定です!

ただ、講座の趣旨としては皆さんと花見を楽しむということばかりでは行けないので、れっきとした巨樹を紹介する予定です。そこで、下の写真のイチョウ、なかなか立派でしょう?熊本市内より車で30分余、北区の丘陵地帯の中にあります。

滴水のイチョウ

「滴水のイチョウ」という名前で、地域の人達に親しまれています。
幹周り14m 樹高42mで熊本県の天然記念物に指定されています。昔、ここには竜雲庵というお寺があり、その境内に平家落人の墓標として植えられたものだという説があります。そのお寺の名残でしょうか、今でもイチョウの右側奥には小さな阿弥陀堂があります。

滴水のイチョウ幹

「生きた化石」とも言われるイチョウの仲間の起源はとても古く、今から1億5千万年程前の恐竜が生息していた時代に最も反映した種だとされています。しかし、その後この仲間は衰退期を迎えます。今のイチョウはその中で唯一生き残った種で、中国大陸で発見され鎌倉時代〜室町時代にかけて日本に渡ってきたという説が一般的なようです。

そういった目で見てみれば、地際付近から何本もの萌芽枝(ヒコバエ)を伸ばした姿は、恐竜時代のイメージと重なるように思えてきます。

滴水のイチョウ根

根の部分はご覧のとおりです。イチョウの木にしては珍しく、根の上部を地上に露出させています。阿弥陀堂周りの狭い敷地いっぱいに、網の目のように根を伸ばしています。これだけ大きなイチョウにしては珍しいほど樹勢が旺盛なのは、根がこのように発達したお陰で、根元部分が踏み固められてないことも、その要因なのかもしれません。

今年はこのイチョウの木のように物事に対してどっしりと構え、しっかりと成長できるような年になればいいと思っています。



階段の工事その22014/01/30 08:04

昨年暮れにお伝えした古墳の階段工事のその後です。
年明けから、既設の木製階段の撤去に取り掛かり、現在は新しく設置する石の階段の下地作りを行っている段階です。ただ、現地の傾斜が急なこともあって人力では残材の搬出や資材の運搬が不可能なために、作業用モノレールを設置して工事を行っています。

階段掘削1

上の写真、向かって右側に見える鉄製のレールがモノレールのものです。坂の上から下まで200数十メートル設置しました。階段の基礎となる部分は機械を用いながら、慎重に整形していきます。

階段掘削2

モノレール本体はミカン農家等で山の斜面に設置されているものとほぼ同じものです。台車に残土やコンクリート、階段の部材等を積んで運びます。


階段掘削3

運搬用の機械としてもう一つ利用しているものは建設用のキャリー(台車)です。これにはキャタピラがついており、荷物を積載した状態でかなりの斜面までは登ることができます。しかし、中には上のような急勾配の箇所もあり、いくらキャタピラが付いているとはいえ登ることができません。そこで、写真のように坂の上にキャリーを1台おいて下のキャリーとワイヤーで繋ぎ上から引き上げる方法を採っています。

下地作りの段階ではモノレールとキャリー、掘削用のバックホウ等複数の機械を併用をしなければならず、かなりの難工事となっています。後は、天候に恵まれ、事故の無いように細心の注意を払いながら工事を進めることが肝心です。

4月半ばに完成の予定です。それまで、このブログでも工事の進捗状況をお伝えしていきたいと考えています。