柳川・大川の風景2014/08/18 10:19

 お盆休みに帰省中の娘を連れて、柳川市方面にドライブに出かけてきました。熊本市内から2時間程度で柳川の中心地である沖端地区に到着です。この日はあいにくの小雨模様だったにもかかわらず、名物のドンコ船で川下りを楽しんでいる人たちの姿も見られました。お堀端の枝垂柳や榎が川面に映って如何にも水郷柳川という風景です。水辺の風景は人の気持を落ち着かせてくれる気がします。

柳川川下り

 最初に出かけたのは柳川が生んだ偉大な詩人“北原白秋”の生家です。現在は北原白秋記念館という名前の資料館として一般公開されています。元々、海産物問屋や造り酒屋を営んでいたというだけあって、白壁の2階建てでかなり立派な建物です。
 生家を入ってすぐの左側の居間の奥には坪庭が有りました。幼いころの白秋もこの庭の見える部屋で遊んでいたのでしょうか?

 庭をよく見てみると鹿威しが設けられています。そう言えば、京都の詩仙堂というお寺にも有名なものがありました。竹が石を打つ“カーン”という響きは、単に風流というものだけではなく、詩を作るなどという創造的な思考には重要な要素なのかもしれません。


白秋生家

 資料館では白秋の生い立ちからその生涯を描いたビデオが上映されていました。一時期、詩人としてかなり恵まれない貧乏な日々を過ごしたと紹介されていました。しかし、その作品に貧しさや苦しさみたいなものが全く感じられないのは、裕福な家に生まれたという事もさることながら、柳川の豊かな水やそれが育んだ生命の逞しさが影響しているのかもしれないと思いました。

 次に、隣町の大川へ向かいました。ここは言わずと知れた家具の街です。その街の中心に“風浪宮”(ふうろうぐう)という立派な神社があります。勝運の道を開いたとされる少童命(わだつみのみこと)を祀っており、1800年の歴史がある由緒正しい神社だとか。

風浪宮

 神門の前には池があり、そのほとりに植えられている松の緑が朱塗りの建物に映えてとても鮮やかです。

風浪宮のご神木

 門を潜って本殿右側にはご神木のクスノキがあります。説明文によれば、少童命の化身とされる白鷺が止まったと伝えられており、樹齢2000年だとか?幹周りは8mで福岡県の天然記念物にも指定されています。樹高の割にはどっしりとした印象を受ける樹木です。Facebookで紹介した宇美八幡のクスノキを少し小さめにした雰囲気です。
 大川の街と言えば家具のお店や木材の加工場が多く立ち並び、柳川の柳のような緑の印象はあまりなかったのですが、この神社周辺は松やクスの緑に溢れていて、瑞々しさを感じられる場所です。この地も柳川とともに筑後川流域の肥沃な土壌が、自然を育んできた場所に違いないのです。