暦の上では春なのに…2012/02/04 08:59

 昨日が節分で今日は立春です。確かに日も長くなって、日に日に日差しも力強さを増してきているような気はするのですが、年末から続く低温傾向はここにきてピークを迎えているようです。
 昨日の熊本市の最低気温は氷点下6.7℃、ラジオで聞いたのですが31年前に氷点下7℃以下を記録して以来の低い気温だったそうです。

 そのせいでしょうか、実家にある蹲にも氷が張っており、筧の水も氷柱となって氷ついていました。

筧に出来た氷柱


 神棚に上げる榊の葉を取りに行こうと思ったら、榊ごと氷ついていました。今朝もまだ同じ状態です。
 今年の冬の低温と豪雪で大変厳しい毎日を過ごされてる東北や北陸地方の方々とは比較にはなりませんが、九州でも慣れない寒さに戸惑っています。
  コブシや梅のつぼみもかなり膨らんできているので、春はもうそこまで来ているとは思います。
おそらく今月下旬には梅の花の写真をアップできるはずです。

桜の土壌改良2012/02/14 17:38

 春の目立ちを前にして、今のこの季節は樹木を植え付けたり、弱った樹木の治療をするには一番いい季節です。そんな中、公園のソメイヨシノの土壌改良作業を行いました。
 樹木の周辺の土壌を軟らかくして透水性、通気性を向上させ、細根の成長を促し、樹木が土壌中の水分や酸素をよりスムーズに吸収できるようにするのが目的です。
 簡単な方法としては、根元周囲の土壌を深さ40~50㎝程耕して、再度、土が固まらないように土壌改良材を加えるやり方があります。しかし、、衰弱が進行している樹木等にこの方法を採った場合、かえって樹木に負担がかかり、さらなる衰弱を招く恐れがあります。

 そこで、下のイラストに示す様なスポット的な土壌改良を行う事が多くあります。

土壌改良断面図


 深さ60㎝径20㎝程の縦穴を樹木の周りに掘って、その穴に根系活力管を敷設し、周囲をピートモスと木質炭を混合した土で埋め戻す方法です。埋戻し後には活力剤を水に溶かして灌水します。もちろん、市販の活力管ではなく、パーライトやピートモスを混合したものを埋め戻しても土壌改良の効果は得られます。

桜のスポット的土壌改良
 
 上の写真が実際に活力管を敷設している時の様子です。対象の桜の木は幹回り1m前後の大きさですが、前回の改良作業と併せて1本当たり12本の活力管を敷設しています。

 別の場所でイロハモミジの土壌改良を同じ方法でやったのですが、約2年後試掘をしてみたら、活力管の周囲にびっしり細根が吸着した様子が確認できました。

 スポット的な土壌改良法として、このような方法の他に、エアースコップという風圧を利用して縦穴を掘り、その穴に直接改良材を充填する方法もあります。実際の施工の機会があれば、また紹介したいと思います。

 今回施工したソメイヨシノも次第に根系を成長させ、徐々に樹勢を回復してくれるハズです。!

博多は雪景色2012/02/20 16:40

 昨日は久しぶりに家族3人で博多に行ってきました。この春から大学生になる娘の買い物に便乗して、朝から九州新幹線で出かけました。。お昼ご飯と晩御飯に新装なった駅ビルでご馳走を食べるという2人の話を聞きつけ、一緒に行く事を決断したという訳です。
 熊本市内も寒かったのですが、曇り空程度で雪が降る様子はありませんでしたが、佐賀県の新鳥栖駅を過ぎるあたりから雲が厚くなり、トンネルを抜けると一面の銀世界が広がっていました。
雪景色の博多駅前

 郊外ほどではないのですが博多駅前もご覧のような雪景色。昨年オープンした博多駅ビルに合わせて植えられた駅前のケヤキ並木にもうっすらと雪が積もっていました。ケヤキの根元のこんもりとした部分は芝生になっており、ここには比較的多く雪が残っていました。

 今年は全国的に例年にない寒さが続いていますが、今日、熊本市郊外の公園に桜の蕾の観察に行ってきたところ、順調に蕾は膨らんでいる様子です。
 寒い冬を越えて咲く、サクラの花は例年になく美しく感じれるかもしれません…。

ちょっと邪道ですが…2012/02/25 10:13

 ソメイヨシノで不定根の誘導をやってみました。
そもそも不定根とは幹や葉から出る主根以外の二次的な根の事を言います。サクラやケヤキ等の樹木は幹に腐朽部があり内部が損傷を受けた際に、腐朽部との境目の健全な組織から根系を伸ばして生き延びようとすることがあります。

 この不定根の伸長作用を利用して樹勢の回復に繋げたり、機械的な支えとする方法があります。
幹の途中から伸びた不定根を土壌まで誘導して、新しい根系として発達させるという考え方です。
言い換えれば根系のバイパスを作る方法なのです。ただ、この方法をとれば元々の根である主根の活力が失われる可能性も指摘されているので、樹勢回復処置としては土壌改良処置などで主根の活力を上げることが最優先の処置となります。

 今回、処置を行ったサクラは4~5年前から樹勢の衰退が見られ、2月14日の記事でもお知らせした改良処置をとってきました。処置後は樹勢も落ち着きを見せていたのですが、その後、この木の大枝にトラックが接触し、幹の一部の樹皮が大きく剥がれてしまいました。そこでこの部分にピートモスを詰めて杉皮を当て養生していたところ、約半年で不定根が発生していたので、試しにこれを土壌まで誘導してみよう!という事になったわけです。

桜に発生した不定根

杉皮を外したところ、大きいもので直径2ミリ長さ30センチ程に不定根が成長している。

竹を利用した誘導管

不定根が樹木内部の空洞ではなく外部の傷から発生していたために、土壌中まで誘導するための補助材が必要となった。あいにく、事前の準備がなかったため、周辺にあった竹を切り出して使用した。中にはピートモス(荒目)を詰めて使用した。

不定根の誘導

伸びた不定根を竹の稈の中に詰め込む。

不定根の誘導完了

これで一様完成です。私としてはもっと幹に沿って竹を設置したかったのですが、少し離れてしまいました。今後、順調に根が成長して、地面に届くまでは、そう長い時間はかからないと思います。
今後の経過につきましても、折に触れお知らせいたします。

京都西陣~北野天満宮2012/02/29 17:43

 今週の日曜から大学への入学が決まった娘の部屋探しで京都に行ってきました。一連の写真はそんな合間を縫って、小雪がチラつく京の町をちょこっと散策した時に撮影したものです。
 
 最初は堀川通り一條戻橋の晴明神社へお参りをしました。ご存じのとおり、陰陽師として活躍した安倍晴明を祭った神社です。映画化もされた夢枕獏の小説の影響で一般の参拝者だけではなく、芸能人や著名人も多く訪れているようです。米倉涼子や山口智充(ぐっさん)の色紙もありましたよ。
 
 晴明神社を後に西陣方面へと向かいました。周辺は古い住宅街ですが、町屋づくりの家並みには呉服関係のお店を多く見かけました。そんな中で一際目を引いたのが下の土塀です。お寺さんの塀なのですが、瓦を挟み込む形で壁が作られています。

西陣のお寺の土塀

 九州でも似たような光景を目にしたことがあります。有田のトンバイ塀です。あれは確か耐火煉瓦で作った塀だと聞きましたが、こちらは瓦がミルフィーユ状態となっており、かなり手間がかかる作りになっていると思われます。

 さらに歩いていると釘抜地蔵というお寺につきました。ここの本当の名前は石像寺と言い、弘法大師が開いたとされています。苦抜地蔵が転じて釘抜地蔵という名前になったとか、、体や心の痛みの治癒に願をかける人が絶えず訪れるみたいです。
 下の写真は境内にあったご神木の松の木です。樹皮に亀甲状の溝が深く刻まれており、風格のある樹木です。

釘抜地蔵の松

 
 ここから、西へ進むみ千本釈迦等を訪ねました。ここは鎌倉時代にご主人である大工の棟梁の窮地をその機転で救った妻の阿亀(おかめ)を祭ったお寺です。この境内には大きな枝垂桜が植えれれていました。立札によると名前を阿亀桜と言い、応仁の乱の時の刀傷が幹の内部に残されているとの事でした。きっと阿亀さんもこの花を見て喜んでいたことでしょう。因みに、下の写真右隅に写っているのが阿亀さんの銅像です。

千本釈迦堂のしだれ桜

 そして、いよいよこの日の目的地である北野天満宮を目指しました。途中、上七軒の通りには京の花街らしく、お茶屋さんが多く芸妓さんが芸を磨くための歌舞練場などもあり、田舎者の私としては、もしかしたら芸子さんに遭えるのではないかとキョロキョロ…。傍から見たらこれぞおのぼりさんという雰囲気だったのでしょうね?

 上七軒の通りの突き当りが北野天満宮です。境内にはウメの花が1~2分咲き程度になっていました。訪れた前日には梅花際というお祭りがあったそうで、大変賑わっていたという事でした。
最後に道真公に娘の大学進学を無事ご報告して、この日の京のちょこっと散策は終了しました。

北野天満宮の白梅

白梅アップ

追伸:道真公へのご報告の後、境内を出る途中、丁度、鳥居の前で一人の芸子さんを見かけました。カメラマンが隣にいて写真を撮っていました。やっぱり、道真公のご利益は偉大なのですね!